「毎月の通信費がかさんでいるので削減したい」
「業務に支障が出ないように通信費を削減したい」
このように考えている法人は多いのではないでしょうか。
法人の通信費には、固定電話、フリーダイヤル費用、携帯電話費用、インターネット費用などがあります。現在の業務における回線やインターネットの利用状況を確認した上で、適したプランやプロバイダに変更することで通信費を抑えられる場合があります。
この記事では、法人の通信費を見直すポイントや、見直しにおける注意点について解説します。
また、法人の携帯電話を格安SIMに変えることで費用を抑えられる場合があります。法人契約可能な格安SIMも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
法人の通信費の内訳
法人の通信費には、主に以下のようなものがあります。
- 固定電話(内線・外線)の通信費
- フリーダイヤル費用
- FAX費用
- 携帯電話費用
- インターネット費用
それぞれの内容について、以下より解説します。
固定電話(内線・外線)の通信費
法人で発生する通信費のうちの1つに、取引先や顧客と通話するための外線費用があります。
通常、固定電話での通話は距離が遠いほど料金が高くなるため、遠方の顧客や取引先が多いと通信費は高くなる傾向にあります。また、電話を転送する場合は、受電側に通話料が発生する仕組みです。
フリーダイヤル費用
一般の顧客や消費者からフリーダイヤルでの電話を受け付けている場合、フリーダイヤル費用が発生します。
注文や予約の受付、カスタマーサポートなどの番号にフリーダイヤルを用いている企業は多いです。フリーダイヤルは、通話料を荷電側でなく受電側が負担します。消費者からの注文や問い合わせにフリーダイヤルを用いている場合、企業が通信料を負担します。そのため、フリーダイヤルでの注文や問い合わせが多いと、その分通信量が発生します。
FAX費用
FAXも、法人で発生する通信費の1つです。書類や注文書、見積書、請求書の送信でFAXを使っている企業もあります。
FAXの通信料は、通信にかかった時間や送信先との距離、時間帯などによって変化します。受信には基本的に通信料はかかりませんが、カウンター料金というものがあり、複合機の場合受信したFAXを印刷するときに費用が発生します。
携帯電話費用
営業や配達員といった、社外で業務を行うスタッフが多い場合、使用する携帯電話の月額使用料も法人の通信費の中で大きな割合を占めることになります。
法人用の携帯電話は1台から契約できるところも多くありますが、携帯電話を使用するスタッフが多い場合には、100台や1,000台などまとめて回線を契約します。1台につき数千円はかかるので、携帯台数(回線数)が多いほど通信費は高額になるでしょう。
インターネット費用
インターネット使用料も通信費の1つです。現代では、メールの送受信やコミュニケーションツール、Web会議、業務アプリの使用などでインターネットは必要不可欠となっています。
社内ネットワークへのアクセスのために固定IPアドレスを必要とする場合、固定IPアドレス1つごとに追加費用が必要です。
法人が通信費を見直すポイント
法人が通信費を見直す際に着目したい、以下のポイントについて解説します。
- 内線電話をクラウドPBXに替える
- 固定電話の回線数を見直す
- インターネットのプロバイダを見直す
- 携帯電話のキャリア・プランを見直す
- 携帯を格安SIMにする
内線電話をクラウドPBXに替える
法人が通信費を抑える方法の1つに、内線電話をクラウドPBXに替える方法があります。クラウドPBXに替えることで、他社の電話や携帯電話との通信費が安くなる可能性があります。
内線電話は、ビジネスフォンの主要機能の1つです。同じビジネスフォン同士の内線電話であれば通話料は無料ですが、他社の電話や携帯電話にかける場合は有料となります。
内線電話をクラウドPBXに変えることで、通信費を抑制することが可能です。PBXとは交換機のことで、クラウドPBXはインターネットを使ってオフィスの電話機を繋げる回線サービスのことです。
インターネットを使って、オフィス内の固定電話だけでなくスマートフォンも内線にすることができるため、スマートフォンとの通話料が無料になります。離れた拠点や外出中の社員に荷電することが多い企業では、クラウドPBXの導入で通信料を抑えられる可能性があります。
また、通常は荷電先の距離に応じて通信料が高くなりますが、クラウドPBXであれば全国一律で3分間8.8円です。遠方にかけることが多い場合も、クラウドPBXにすることで通信料削減につながります。
ただし、月額使用料は必要なので、導入前に試算をしてみることが重要です。
固定電話の回線数を見直す
固定電話の回線数を確認し、必要以上に多く契約している場合は回線数を減らしてみるのも1つの方法です。
固定電話は、1ヶ月2,000円〜3,000円ほど基本料金がかかります。あまり使っていない回線がある場合は、回線数を減らすことで毎月の通信費を削減することができます。また、プランを見直してより低額なプランに乗り換えるのも1つの方法です。
受電が多く対応数を増やしたい場合、1回線あたりの電話対応数である「チャンネル数」を増やす契約をするのもおすすめです。固定電話を増やすとその分料金がかさみますが、チャンネル数を増やす場合は1チャンネル数百円で追加できます。
また、固定電話の通信費がより低額な会社に乗り換える方法もあります。
乗り換える際は、課金の秒数・分数について確認することが重要です。通常であれば3分以内であれば通話料が同じですが、会社によって1分や1秒単位で課金することもあります。3分以内の通話が多い場合は、1秒課金のほうが通話料が安くなる可能性もあるため、通話の頻度や時間を確認してから検討するのがおすすめです。
インターネットのプロバイダを見直す
インターネット費用は、インターネット回線を提供しているプロバイダを見直すことで費用が抑えられる可能性があります。ただし、安価なプランやプロバイダに乗り換えると、サービスや通信速度の質が低下し業務に支障が出る可能性もあるため注意が必要です。
プロバイダを乗り換える際は、サービスや回線速度の質も確認することが重要です。
携帯電話のキャリア・プランを見直す
外回りの社員が使う携帯電話についても、キャリアやプランを見直すことで通信費が抑えられる可能性があります。法人の携帯電話の料金は通話料が大きな割合を占めることが多いため、通話の定額プランを検討するのがおすすめです。
短い通話が多い場合は5分間定額プランのような短い通話が定額になるプランを、長い通話が多い場合は24時間かけ放題プランなどを検討してみましょう。
携帯を格安SIMにする
携帯を大手キャリアで契約している場合は、格安SIMに変えることで毎月の費用が安くなる場合があります。
格安SIMとは、大手キャリアから回線を借りている回線業者(MVNO)が提供している回線のことです。通話オプションがあるため、格安SIMでも通話は可能です。また、定額プランやかけ放題オプションもあるので、現在の通話時間の平均に応じてプランを検討してみましょう。
ただし、格安SIMの場合はキャリアメールが使えない、実店舗がないキャリアが多いといったデメリットがあります。また、時間帯や場所によって通信速度が遅くなる場合もあります。格安SIMを法人契約する際は、通信品質やサービスを確認し、デメリットも把握して検討することが重要です。
法人利用できるおすすめ格安SIM3選
法人も契約できるおすすめの格安SIMを、以下の3つご紹介します。
- Xモバイル
- mineo
- 楽天モバイル
Xモバイル
Xモバイルの法人プランでは、通話プランを5分間かけたい放題の「かけ放題ライト」、通話無制限の「かけ放題フル」から選択できます。また、パケット料金は1GB〜30GBまで合計6プランの中から選択可能です。
【料金プラン】
通話プラン | パケット料金 | |
基本料金:980円(500MB付き) | かけ放題ライト:850円(5分間かけたい放題)かけ放題フル:1,800円(通話無制限) | 1GB:600円 |
3GB:1,200円 | ||
5GB:1,800円 | ||
7GB:2,400円 | ||
10GB:3,000円 | ||
30GB:3,600円 |
mineo
トリプルキャリアのmineoは、au回線、docomo回線、ソフトバンク回線の中から状況に応じて回線を選択することが可能です。
また、データ通信のみのプランと、データ通信+090音声通話が可能なデュアルタイプとがあるので、業務内容や利用状況に応じて選択することができます。
【料金プラン】
シングルタイプ(データ通信のみ) | デュアルタイプ(データ通信+090音声通話) | |
500MB | 700円〜 | 1,310円〜 |
3GB | 900円〜 | 1,510円〜 |
6GB | 1,580円〜 | 2,190円〜 |
10GB | 2,520円〜 | 3,130円〜 |
20GB | 3,980円〜 | 4,590円〜 |
30GB | 5,900円〜 | 6,510円〜 |
出典:mineo
楽天モバイル
楽天モバイルは、「データプラン」と「音声+データプラン」の2種類のプランがあります。それぞれギガ数に応じた料金が設定されており、データ利用状況に応じて適したプランを選ぶことができます。
【料金プラン】
データプラン | 音声+データプラン |
3GB:980円 | 音声+3GB:1,980円 |
7GB:1,480円 | 音声+5GB:2,380円 |
30GB:2,380円 | 音声+30GB:2,780円 |
– | 音声+データ無制限:2,980円 |
出典:楽天モバイル
法人が通信費を見直す際の注意点
法人が通信費を見直す際は、業務に支障が出ないよう慎重に検討・実施する必要があります。
法人が通信費を見直す際に注意したい、以下の点について解説します。
- 回線や携帯・固定電話の利用状況を把握する
- 業務に支障が出ない範囲で見直しを行う
- 手間や導入費用を視野に入れる
回線や携帯・固定電話の利用状況を把握する
法人が通信費を見直す前に、現在の携帯・固定電話について、回線数や利用状況を把握することが重要です。現在の利用状況を把握することで、より安価なプランへの乗り換えや、コスト削減のための施策を考案しやすくなります。
現状を把握せず実態にそぐわないプランや回線数にしてしまうと、業務に支障が出る可能性があります。現在の回線や携帯(スマホ)、固定電話の利用状況を把握したうえで、むりなく移行できる方法を考えることが重要です。
また、入れ替えによって必ずしも通信費が下がるとは限りません。現在の通信費と、見直し後の通信費のシミュレーションを行い、費用対効果を試算することが重要です。
業務に支障が出ない範囲で見直しを行う
通信費抑制のためプランやプロバイダを変更する際は、業務に支障が出ない範囲から実施するのがおすすめです。
大掛かりな変更を一気に行うと、業務に支障が出る可能性があります。まずは業務に大きな影響がない部分から、徐々に入れ替えを始めるのがおすすめです。
業務に影響が大きい部分は、サービスや通信速度、通話品質が低下すると業務に支障が出る可能性があるため、料金だけで決めずサービス品質も十分にチェックしましょう。
手間や導入費用を視野に入れる
機器の入れ替えやプロバイダの乗り換えを行う場合などは、初期費用が発生することがあります。毎月の使用料だけでなく、導入のための費用が発生することを視野に入れておくことが重要です。
また、機器やプロバイダ、プランの変更でフローに変更が生じる場合は、スタッフに周知したりマニュアルを整備するといったコストが発生することを念頭に置いておきましょう。
まとめ:格安SIMの法人利用はXモバイルがおすすめ
法人の通信費には、外線やフリーダイヤルで使用する固定電話、FAX、携帯料金、インターネット利用料などがあります。通信費を抑えるために、プランやプロバイダを見直してみることがおすすめです。
社用携帯のキャリアを大手キャリアから格安SIMに変えることで、通信費を抑えられる場合があります。ただし、業務に支障が出ないよう、料金だけでなくオプションやサービス、データ容量なども確認して検討するのがおすすめです。
Xモバイルは1GBから30GBまで、計6つのプランから適したプランを選ぶことができます。通話オプションも5分以内の通話がかけ放題になるプランと、通話無制限のプランから選択可能です。業務での利用状況に応じて適したプランを選ぶことができます。
法人での通信費を見直したいと考えている場合は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。